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京都エタニティ

ウェディングムービーで音楽を使う前に!知っておきたい「著作権」の基本

投稿日:2025.05.30更新日:2025.06.06

ウェディングムービーで音楽を使う前に!知っておきたい「著作権」の基本のイメージ

「この曲、大好きだからムービーに使いたい!」

結婚式のムービーに、ふたりの思い出の曲を流したい。
あるいは、家族とのエピソードを思い出させるような懐かしい音楽を添えたい。

そんな想いを抱く方は、きっと少なくないはずです。
けれど、その前に――ちょっと立ち止まってください。

「著作権」というルール、ちゃんと知っていますか?

Q. そもそも「著作権」って何?

著作権とは、音楽・映像・文章などの創作物をつくった人の権利を守るための法律上のしくみです。 これは、著作権法の第1条で定められています。

たとえば音楽には、次のような権利が存在します。

  • 作詞や作曲をした人が持つ「著作権
  • 歌手・演奏者やレコード会社が持つ「著作隣接権

このように、「この曲を勝手に使わないでね」と主張できるのは、著作権という法律があるからなのです。

Q. なぜ「著作権」を守らなければいけないの?

◎ 理由1:つくった人の努力と権利を守るため

音楽や映像、文章は、ただ“湧いて出てくる”ものではありません。
それぞれの作品には、時間や労力、そして思いが込められています。

著作権は、そうしたつくった人(著作者)に「自分の作品をどう使うか」を決める権利を与えるルールです。

たとえば、好きな曲を勝手にコピーして配ったり、ムービーに使って公開したりするのは、著作者の許可なく作品を利用していることになります。

◎ 理由2:新しい作品が生まれ続ける社会を守るため

もし著作権がなかったら?
誰でも他人の作品を自由に使えてしまいます。中には、それでお金を稼ぐ人も出てくるでしょう。

そうなると、つくる側が損をしてしまい、「もう創作なんてやってられない」と感じる人が出てきます。
結果として、新しい音楽や映像が生まれにくくなってしまうのです。

つまり、著作権はクリエイターの生活と創作活動を守り、文化を未来へつなぐための仕組みでもあるのです。

Q. 「著作隣接権」って何?

では「著作隣接権」とは、何なのでしょうか?

簡単に言うと、つくった作品を“伝える人”に与えられる権利です。
たとえば音楽なら、以下のような人たちが対象になります。

権利名人・会社持っている権利
著作権作詞家・作曲家著作権(つくった人)
著作隣接権歌手・演奏者著作隣接権(伝える人)
著作隣接権レコード会社(音源)著作隣接権(録音する人)
著作権、著作隣接権区分リスト

つまり…

  • 楽曲そのものを使いたいとき →「著作権」の許諾が必要
  • CDや配信音源などの“録音された音”を使いたいとき →「著作隣接権」も必要

著作権と著作隣接権の両方をきちんと守ることで、音楽や映像の世界はより豊かに広がっていくのです。

Q. 結婚式ってプライベートなイベントだけど、著作権って関係あるの?

答えは、はい。関係あります。

結婚式のような“私的なイベント”であっても、著作権は適用されます。
著作権がある楽曲を使ってムービーを上映したり、配布したりする場合は、原則として権利者からの許諾や手続きが必要です。

Q. 許可を取らずに使ったらどうなるの?

無断使用はNGです。

たとえ「結婚式だから」「身内しかいないから」といった理由があっても、
著作権者の許可なく楽曲をムービーに組み込んで上映・配布する行為は、著作権侵害にあたる可能性があります。これは、著作権法の第21条~26条などに明記されています。

そして、もし著作権侵害と認定されてしまうと…

  • ムービーの上映中止(差止め)
  • 損害賠償請求(使用料相当分など)

といったリスクが発生します。

「そんな大げさな…」と思うかもしれませんが、これは実際に起こり得る話です。

Q. じゃあ、「個人の思い出用」なら使っても大丈夫?

これも、注意が必要です。

著作権法には「私的使用のための複製」という例外があります(第30条)。
ですが、これはあくまで「家庭内」や「個人で視聴する」など、ごく限られた範囲での使用に限られています。

結婚式のように、複数の第三者が同時に視聴する上映は、「私的使用」には含まれないとするのが一般的な見解です。この点は、文化庁などの見解にも基づいています。

Q. 著作権が切れている曲なら結婚式や披露宴に使ってOK?

はい、条件を満たせば大丈夫です。

たとえば、作曲者の死後70年が経過すると、著作権は消滅します。著作権法第51条には「著作権は、著作者の死後(共同著作物にあつては、最終に死亡した著作者の死後)70年を経過するまでの間、存続する。」と書かれています。

 この状態の楽曲は「パブリックドメイン」と呼ばれ、誰でも自由に使える作品となります(著作権法第51条)。

また、商用利用も可能な「著作権フリー素材」なども存在します。
ただし、そうした音源を使う際も、配布元の利用規約やライセンス条件を必ず確認することが大切です。

Q. パブリックドメインの曲でも、CD音源は使えないの?

ここにも落とし穴があります。

たとえ楽曲そのものがパブリックドメインだったとしても、市販のCDや配信音源を使う場合には注意が必要です。なぜなら、その音源には演奏者やレコード会社が持つ「著作隣接権」が関係してくるからです(著作権法第89条など)。

楽譜は自由でも、録音された「音」は自由ではない——ということですね。

つまり、音源を使う場合には、別途の許諾が必要になる可能性があるというわけです。

Q. 結局、著作権って何のためにあるの?

最後にもう一度、基本に立ち返りましょう。

著作権の目的は、創作物を生み出した人の正当な利益を守ること
そのことで、新たな創作が生まれ、結果として文化の発展にもつながります(著作権法第1条)。

結婚式を特別な一日とするためにも著作権を守りましょう

結婚式という特別な1日だからこそ、「想いを込めたムービーを気持ちよく残したい」と、誰もが願うはず。そのためにも、著作権の基本をしっかり理解し、正しく付き合うことがとても大切です。

ここまで読んで、「著作権、著作隣接権を守りながらムービーにBGMをつけることなんて、できないんじゃないの?!」と思われるかもしれません。が、ムービーに好きな音楽をつける方法はあるんです。

それはISUM(アイサム)への申請です。

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